映画DVD・ヤ行 ユメ十夜 (2007)
今回の映画DVDは、「ユメ十夜」です。
本作「ユメ十夜」は、10の物語から成る夏目漱石の短編小説『夢十夜』を、それぞれ10人の監督が映像化した、オムニバス映画です。監督は第1話から順に、実相寺昭雄、市川崑、清水崇、清水厚(オープニング、エンディング兼任)、豊島圭介、松尾スズキ、天野喜孝、河原真明、山下敦弘、西川美和、山口雄大。
最愛の妻(小泉今日子)を突然亡くし、再会を待ち続ける作家(松尾スズキ)(第一夜)。懸命に悟りを得ようとする侍(うじきつよし)と、彼を挑発する和尚(中村梅之助)(第二夜)。
騒々しい子供たちの声のせいで、筆が進まない漱石(堀部圭亮)に、6人目の子を身ごもっている妻・鏡子(香椎由宇)は、子供の頃誤って落とした地蔵の首を戻す夢を見たと話し始めます(第三夜)。
田舎町に講演にやって来た漱石(山本耕史)は、思い出の世界に迷い込み、ある少女(菅野莉央)との淡く切ない過去を思い出します(第四夜)。
愛する夫(大倉孝二)の元へ疾走する女(市川実日子)と、それを阻む女の死闘(第五夜)。仁王像を彫る運慶(TOZAWA)を見て、自分にも出来るのではないかと思った男。石原良純さんが、本人役で登場(第六夜)。
巨大な船に乗っている旅人が、孤独に耐えかね、大海に身を投じます。3D-CGアニメーションとして製作された1編(第七夜)。執筆に悩む漱石(藤岡弘)の頭の中は、さまざまなイメージが彷徨っていきます(第八夜)。
母(緒川たまき)は、戦地の父(ピエール瀧)の無事を祈り、百度参りを続けます。しかし、父の意外な真実が明らかになります(第九夜)。色男の庄太郎(松山ケンイチ)は、美しい女(本上まなみ)について行きます。しかし、豚丼しかない食堂に案内され、獣の大群に襲われます。石坂浩二さんが平賀源内役で特別出演(第十夜)。
ユメ十夜のレビュー
「こんな夢を見た。」の一節から始まる、夏目漱石の短編小説「夢十夜」を、10人の監督が、それぞれの個性で解釈して映画化しました。清水崇監督のミステリアスな1編や、松尾スズキ監督のなんともいえないコメディなど、それぞれの強みが凝縮された作品です。
プロローグとエピローグを、戸田恵梨香さんが担当しています。それぞれの監督らしく、ホラーあり、コメディあり、ドラマありという、非常にバラエティに富んだ、贅沢なエンターテインメント作品です。
どの作品にも共通しているのは、それぞれの監督が楽しんで取り組んだことが感じられる点です。脚本を手がけた方々も豪華な顔ぶれで、どの作品がお好みか、見比べながら鑑賞するのが非常に嬉しい作品です。映画を見る前に原作を一読されることをおすすめします。